通信制高校の単位の仕組みはどうなっているの?
全日制高校に比べ、登校の日数よりも単位の取得数の方が気になるのが通信制高校。単位を取得する仕組みはどうなっているのでしょうか。まずは、通信制と全日制の違いからみていきましょう。
通信制高校の単位制と全日制高校の学年制
通信制高校も全日制高校も卒業するために単位を取得することに変わりはないのですが、全日制高校は学年制で学年が基本で進みますが、通信制高校は、一般的に単位制で、単位取得の進み具合が基本で進んでいくようなイメージです。つまり、1年ごとに進級して3年生の終わりで卒業という仕組みではなく、3年(以上)間の在籍で、74単位を取得できれば卒業という仕組みになっています。
と言っても、中学3年生を卒業して、新卒で通信制高校に入学し、例えば、1年目に25単位取得、2年目に25単位取得、3年目に24単位を取得し、合計74単位を取得して卒業できれば、1年目は1年生、2年目は2年生、3年目は3年生と言っても実質間違いではないでしょう。このように順調に単位の取得が進み3年間で卒業できれば、結果的には全日制高校の学年制のイメージになると言えます。
また、全日制高校の学年制の場合、登校日数が足りなくなったり、履修している科目の単位が取得できなかったりすると、進級できなくなり留年となってしまいますが、通信制高校の場合、もともと登校日数が少ないので、登校日数が足りなくなるリスクが全日制高校よりも少なく、その年に履修した科目の単位が取得できなくても、進級できないとか、留年というレッテルを貼られることもありません。ただし、その場合、3年間で卒業できないこともあり、4年目に突入することもありますので、通信制高校と言っても、やはりしっかりと計画的に学習を進めていかなくてはなりません。
通信制高校の単位はどのようにして取るの?
通信制高校の単位取得には、スクーリングと呼ばれる決められた回数の授業に出席し、決められた枚数のレポートが出されますので、それを自宅や学校で解いて提出することが必要です。レポートといっても、小テストのような問題形式になっていますので、それに解答し提出することで評価されます。レポートでわからない点があれば、スクーリングに行った際に相談することもできます。最後に単位認定試験があり、合格点に達していれば、単位が認められます。
全日制から通信制に転校した場合の単位はどうなる?
全日制高校から通信制高校に転入(転校)する人が増えています。その際に今まで取った単位がどうなるかが気になることでしょう。結論から言いますと、前籍校で取得済みの単位のほとんどは引き継げます。
ただし、全日制高校での単位は、一般的に学年が終了した時点で認定され取得することになりますので、年度途中で中退する場合は、その年度の引き継ぐ単位がないことになりますのでご注意ください。
一方、転入の場合には、同学年と一緒の年度で卒業できるよう、単位の引継ができる場合もありますので、転入のタイミングなどで学校へ相談してみてください。卒業までにあと何単位取らなければならないのか、どのくらいの期間で卒業できそうなのかを最初に確認してみるといいでしょう。
通信制高校の単位取得は計画的に
通信制高校の大きな特色は、学年制でないという点です。3年(以上)在籍して74単位を取れば卒業でき「進級できない」「留年する」といった心配が少なくてすみます。
ただし、その分自分で単位を計画的に取る必要が出てきます。最初にあまり単位を取らなかった場合には後半になって大変になるケースが多くなります。4年以上かかってやっと卒業したという人も通信制高校の中にはいます。「進級できない」や「留年がない」ことはメリットですが、卒業が大変にならないようにしてください。
この記事は、大阪府認可の通信制女子校|英風高等学校が執筆しています。