通信制高校の学費の平均は?
通信制高校の学費の仕組を知らない人は少なくありません。毎日通う必要がないので全日制高校の学費より一般的には安くなります。当然、通信制高校によって学費は異なりますが、この記事では、私立通信制高校の学費はどのくらいかかるのか、その仕組みと平均的な学費について、また最後にサポート校の学費についても少しお話しします。
入学金

入学金は学校によって結構金額が異なってきます。1万円から10万円を超えるところがありますので、平均が出しづらい費用です。また、全日制と違って、推薦入試などで優遇される入学金の減額や免除という制度はあまり見かけません。その他、同じ学校でもコースによって入学金の額が異なる場合もあります。もちろん入学金は入学時に支払うだけですし、また、試験に合格したけれど、もし入学を辞退する場合は、返金をしてくれる学校がほとんどです。
授業料

知っての通り全日制高校の授業料の場合、年間いくらというように、一般的に年間の金額で表されます。しかし、通信制高校の授業料の場合、学年の途中で転入(転校)してきた場合など、生徒によって履修する科目の単位数が異なるケースがあるので、言い換えれば、生徒によって勉強する量が異なる場合があるため、もともと年間で金額を設定する仕組みをとっていません。ですから、通信制高校の場合、年間にいくらというより、履修する科目の単位数、つまり1単位についていくらかかるかで学費が設定されています。年間の授業料が表記されている学校もありますが、それは、例えば年間で25単位や30単位履修した場合はこれだけかかりますよ、とわかりやすく年間に換算した金額を表示しているわけです。
それでは、私立通信制高校の1単位あたりの授業料は平均いくらでしょうか?当然学校によって異なりますが、1単位あたり7,000円から12,000円程度の学校が多いと言えます。
例えばわかりやすく1単位当たり10,000円の学校の場合、卒業に必要な単位数(74単位)を全て取得すれば74万円かかります。もちろんこの金額は1年間の金額ではなく卒業(3年間以上)までに必要な金額です。わかりやすく言えば、この場合、1年次:25万円、2年次:25万円、3年次:24万円で合計74万円という具合です。
ちなみに国の「高等学校等就学支援金」が利用できる学校ならば、世帯年収がおおよそ590万円未満の世帯は、条件によりますが、この授業料が実質無償になります。ただし、入学金やその他教材費、教育関連諸費等は支援金の対象にはなりませんので、ご注意ください。
その他費用

その他の費用については、「教育充実費」、「施設整備費」、「教育関連諸費」など学校によって名称が様々ですし、同じ学校でもコースによって異なるところもありますが、授業料とは別に年間で10万円から20万円程度はみておいた方がいいでしょう。合宿(宿泊)型のスクーリングを実施している学校の場合、宿泊費や別途交通費などの費用がかかる場合もあります。教科書代や制服代、修学旅行などの校外学習費用もその他の費用になります。
また、登校日数が増えると別途学費が発生する学校もありますので、入学を検討する際に、よく確認しておくことをおすすめします。
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別途費用がかかる登校型コースも

少し話がそれますが、通信制高校の登校スタイル(スクーリングのスタイル)は、おおよそ
- 週に数日(週に1〜5日)登校して卒業を目指す、登校型のコース
- 年に数日(年に5〜10日間程度)の登校で卒業を目指す、集中型・合宿型のコース
とに分けることができます。週に1日だけ登校しても、5日間登校しても、一般的にそのコースは登校型のコースの分類になります。学校によってコースの名称は様々ですが、そのコースが年間数日程度の登校でいいのか、週に何日か登校するのかで、どちらのスタイルの学校・コースなのか、おおよその判断がつきます。
さて本題に戻ります。ここで確認してほしいのが、通学型のコースの場合、登校日数に応じて、別途費用がかかる学校もあるということです。単位あたりの授業料の他に、年間で別途30万円以上かかる場合もあります。
※もちろん別途費用がかからず単位あたりの授業料に既に含まれている学校もたくさんありますので、自分の望む学習スタイルが、通学型のコースであれば、別途授業料がかかるのかどうか事前に確認しておきましょう。
サポート校の学費について

通信制高校について調べるにあたって、サポート校という言葉が出てくると思います。実は、通信制高校とサポート校は異なる学校です。サポート校自体は、通信制高校ではありません。どちらかというと、通信制高校の学習を支援する塾のような教育機関と考えればわかりやすいでしょう。通信制高校の学習を支援するわけですから、一般的に通信制高校にかかる授業料とは別に、サポート校にかかる授業料が発生します。また、通学の際の学割が効かないこともありますので、事前に確認しておいた方がいいでしょう。
さて、サポート校の学費がどのくらいかですが、これも学校によって様々です。通信制高校の授業料とは別に、高いところだと年間で30万円以上かかるサポート校もありますが、その分、言葉どおりサポートがしっかりしているとも言えるでしょう。
以上、学費が高いから悪い学校、安いから良い学校ということではありません。それぞれの学校には特色があり、学費が異なっても当然のことだと言えるでしょう。インターネットや案内資料だけではわかりにくい部分もありますので、不明な点があれば学校の担当者に直接問い合わせをするか、実際に学校へ足を運んでみましょう。
この記事は、大阪府認可の通信制女子校|英風高等学校が執筆しています。