通信制高校を探す時代に、少し思うこと
今、通信制高校を探す方法は大きく変わりました。
「通信制高校」と検索すると、最初に表示されるのは、学校そのもののホームページではなく、通信制高校を紹介する「ポータルサイト(比較サイト・まとめサイト)」であることも少なくありません。
地域別の学校一覧、人気ランキング、口コミ、学費比較など、多くの情報が整理されており、生徒・保護者にとって便利な存在になっています。
一方で、長年通信制高校の現場に関わってきた立場として、最近少し感じることがあります。
それは、「学校そのもの」よりも、「どれだけ検索で目立つか」が大きな力を持つ時代になったのではないか、ということです。
もちろん、これはポータルサイト(比較サイト)や大手通信制高校を否定したいわけではありません。
実際、本校もポータルサイトにはお世話になっていますし、本当に真摯に運営されている会社がほとんどです。
だからこそ今回は、「通信制高校を探す時代」について、現場の立場から感じていることを書いてみたいと思います。
まず、「ポータルサイト(比較サイト)」とは何か
最近、「通信制高校」と検索すると、多く表示されるのが、通信制高校を一覧で紹介する「ポータルサイト(比較サイト)」です。
地域別検索、学費比較、人気ランキング、口コミ、資料請求など、さまざまな情報をまとめて見ることができる仕組みになっています。
初めて通信制高校を探す生徒・保護者にとって、
- どんな学校があるのか
- どの地域にあるのか
- どんな特徴があるのか
を一度に比較できるのは、とても便利です。
通信制高校は制度も複雑で、学校数も多いため、「まず比較サイトから調べる」という流れは自然なことなのだと思います。
本校も、ポータルサイトにはお世話になっています
ここは誤解されたくない部分なのですが、英風高等学校も、ポータルサイト(比較サイト)を全く利用していないわけではありません。
実際、合同相談会を開催されている会社には、積極的に参加させていただいています。
そして、その相談会で出会った生徒が、これまでにも数多く本校へ入学してくれました。そういう意味では、本当に感謝しています。
また、多くのポータルサイトは、単に広告を並べるだけではなく、「通信制高校という選択肢を、もっと社会に正しく知ってもらいたい」という思いを持って、真摯に運営されていると感じています。
特に、長年にわたり合同相談会や学校紹介を続けておられる会社は、実際に多くの生徒・保護者と向き合いながら、通信制高校業界を支えてこられています。
本校としても、そのようなポータルサイト(比較サイト)の存在は、とても大切だと感じています。
ですから、決して「ポータルサイトが悪い」と言いたいわけではありません。むしろ、今の時代において必要な存在であると思っています。
「人気ランキング」は、どうやって決まるのでしょうか
ただ、検索していると、少し複雑な気持ちになることがあります。
それは、「人気ランキング」「評判の良い学校」「おすすめ通信制高校」といった表現です。
もちろん、それを参考にすること自体は自然なことだと思います。
ただ、ふと疑問に感じることがあります。
その「人気」や「評判」は、いったい、どうやって決まっているのでしょうか。
アンケートなのか。
資料請求数なのか。
アクセス数なのか。
広告掲載順なのか。
もちろん、サイトごとに基準は違うのだと思います。
ただ、通信制高校というのは、飲食店や家電製品のように、いくつも利用して比較できるものではありません。
高校生活は、多くの人にとって一度きりです。
転入学を経験したとしても、比較できる学校は2校程度という方がほとんどではないでしょうか。
そう考えると、
「この学校が一番良かった」
「他校より優れていた」
という評価は、本来かなり難しいものなのかもしれません。
もしアンケートだったとしても、その方は本当に複数校を見学されたのでしょうか。
他校の授業や学校生活まで、実際に比較されたのでしょうか。
もちろん、ランキング自体を否定したいわけではありません。
ただ、学校というものは、本来そこまで単純に順位化できるものなのだろうか、と感じることがあります。
今度は、ポータルサイト同士の競争も始まっているように感じます
そして最近は、通信制高校同士だけではなく、今度はポータルサイト(比較サイト)同士の競争も激しくなっているように感じます。
どの比較サイトが一番検索で上に出るのか。
どの比較サイトが一番資料請求を集めるのか。
どの比較サイトが「有名」なのか。
長年続いている老舗のポータルサイトほど、新しく参入してきた比較サイトに対して、競合としての危機感を持たれている部分もあるのかもしれません。
そうなってくると、半分冗談ですが、
「今度は通信制高校側が、“どのポータルサイトが一番良いのか”をランキングし始めるのでは?」
と思ってしまうこともあります。
もちろん、実際にはそんな単純な話ではありません。
ただ、それくらい今は、「学校を紹介する仕組み」そのものが、大きな力を持つ時代になったのだと思います。
小規模な学校は、検索だけでは見つけてもらいにくい
こうした時代の中で、小規模校や地域密着型の学校は、どうしても検索だけでは目立ちにくくなります。
特に、本校のように、
- 落ち着いた校風
- 教室の空気感
- 校則や規律
- 生徒同士の距離感
- 学校全体の雰囲気
といった部分は、ランキングや検索順位だけではなかなか伝わりません。
通信制高校は、学校ごとの差が非常に大きい学校形態です。
実際に見学へ行ってみると、
「思っていた雰囲気と違った」
「落ち着いていて安心した」
「自分には合いそうだった」
ということもよくあります。
だからこそ、本来は「空気感」まで含めて学校を選ぶことが大切なのだと思います。
それでも、ポータルサイトは必要なのだと思います
ここまで色々と書いてきましたが、もし仮に、通信制高校のポータルサイト(比較サイト)がすべてなくなったらどうなるのでしょうか。
おそらく今度は、通信制高校側から、
「比較できるサイトを作ってほしい」
「もっと学校を探しやすくしてほしい」
という声が、必ず出てくるのだと思います。
それくらい、今の時代において、ポータルサイト(比較サイト)は大きな役割を持っています。
生徒・保護者にとっても、一度に多くの学校を比較できることには意味があります。
ですから、本校としても、ポータルサイトの存在そのものを否定するつもりはありません。
ただ、学校というものは、本来とても複雑で、一人ひとりとの相性も大きいものです。
だからこそ、「人気ランキング」だけでは見えない部分もある、ということだけは、少し心に留めていただけたらと思っています。
通信制高校を探す時代になった今だからこそ、検索順位やランキングだけではなく、その学校が何を大切にしているのか、どんな空気感なのかまで含めて見てもらえたら、本当に嬉しく思います。
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